松戸市で会社を設立するには?株式会社・合同会社の違いと創業支援制度

松戸市で会社を設立する人が、最初に確認したい支援制度

松戸市で起業し、株式会社または合同会社をつくろうと考えている方へ。会社の種類を決める前に知っておきたいことから、登記費用の支援、創業資金の借り方、無料の相談先までを順番にまとめました。特に松戸市の登記費用補助は、会社設立後に気づいても申請できません。まずは手続きの順番を確認してください。

この記事は2026年9月29日に公式情報を確認して作成しました。募集状況や条件は変わるため、申請前には各制度の公式ページを再確認してください。

起業するなら、会社の登記が必要?

「起業」は事業を始めることです。個人事業として始める方法もあるため、起業と会社の登記は同じ意味ではありません。このページでは、松戸市に本店を置いて会社を設立する場合を扱います。

会社を設立するときは、会社名(商号)、本店所在地、事業目的、資本金、代表者などを決め、定款を作り、法務局に設立登記を申請します。登記は、会社の名称や所在地などを公に示す手続きです。会社設立には登録免許税がかかります。

株式会社と合同会社はどう違う?

比べる点 株式会社 合同会社
出資と経営 出資者は株主。経営を担う取締役を置く 出資者を「社員」と呼び、原則として社員が経営に関わる
定款の認証 公証人による認証が必要 公証人による認証は不要
設立登記の登録免許税 通常は資本金の0.7%、最低15万円 通常は資本金の0.7%、最低6万円

将来、複数の株主から出資を受けることを想定するなら株式会社が検討対象になります。少人数で経営し、設立時の費用や手続きを抑えたいなら合同会社も選択肢です。どちらも法人として設立できます。合同会社の「社員」は従業員という意味ではなく、出資者を指します。出資者が複数いる場合は、意思決定や利益分配の方法を定款でどう定めるかも確認しましょう。

参考:J-Net21「株式会社と合同会社のどちらがよいか」、国税庁「登録免許税の税額表」、日本公証人連合会「定款認証」

設立前に確認したい支援制度一覧

制度・窓口 実施主体 何に使える? 先に確認すること
特定創業支援等事業と証明書 松戸市・連携機関 登記費用の軽減・補助や融資の優遇につながる 支援の受講に1か月以上、証明書の交付にさらに時間がかかる
新規会社設立登録免許税補助金 松戸市 登録免許税などを補助 費用を支払う前に申請し、交付決定を受ける
創業資金 千葉県 設備資金・運転資金の融資 取扱金融機関で審査を受ける
新規開業・スタートアップ支援資金 日本政策金融公庫 設備資金・運転資金の融資 創業計画を準備する
利子補給・保証料補助 松戸市 対象融資の利子や保証料を補助 融資の種類と証明書の条件を確認する

最初の一歩は「特定創業支援等事業」

松戸市では、次の5つが「特定創業支援等事業」に位置づけられています。創業塾で学ぶ方法のほか、相談を通じて要件を満たす方法もあります。

  • まつどビジネスBASEでの創業相談(松戸市)
  • まつど創業塾(松戸市。松戸商工会議所で開催)
  • 専門家相談(松戸市)
  • 創業継続相談(松戸商工会議所)
  • 創業スクール(千葉県信用保証協会)

いずれかの対象事業で所定の回数の支援を受け、経営・財務・人材育成・販路開拓のすべての知識を身につけると、市へ証明書の交付を申請できます。対象は、まだ事業を営んでいない創業予定者や創業後5年以内の人などです。必要な回数や進め方は事業ごとに異なるため、申込先に確認してください。単発の相談を1回受けるだけで証明書を取得できるわけではありません。

証明書を得ると、株式会社・合同会社の設立登記にかかる登録免許税の国の軽減、松戸市の設立費用補助、対象となる融資の優遇などを検討できます。ただし、証明書を持てばすべての制度を自動的に利用できるわけではなく、それぞれに申請と審査があります。

会社設立の直前では間に合わない可能性があります。松戸市によると、支援を受ける期間は1か月以上、市への証明書申請後の交付には2営業日を要します。証明書は即日交付されません。国の登録免許税軽減を使う場合は、登記申請時に証明書を提出します。

松戸市が案内する証明書の有効期限は、2028年3月31日まで延長されています。証明書の提出先ごとに対象となる創業時期や提出期限も確認してください。

まず相談したい場合は、2026年8月に開設されたまつどビジネスBASEが窓口です。創業計画や資金調達を相談できます。所在地は松戸市松戸1307の1 松戸ビル13階、電話は047-382-6087。相談は予約制です。まとまった講座で学びたい方には、2026年度下期の「まつど創業塾」も案内されています(受講料16,000円。募集状況は公式ページで確認)。

公式情報:松戸市「特定創業支援等事業の証明書」、松戸市「起業・創業したい方のための支援情報」、松戸市「まつど創業塾」

松戸市の会社設立費用補助は、登記前に申請

松戸市独自制度:新規会社設立登録免許税補助金は、2026年度に松戸市内を本店として株式会社または合同会社を新設する人向けです。代表者が松戸市の特定創業支援等事業の証明書を受けていること、創業予定または事業開始から5年未満であること、代表者の住所地の市区町村税に滞納がないことなどが条件です。代表者が松戸市外に住んでいても、条件を満たす場合があります。

  • 登録免許税の補助上限:株式会社7万5,000円、合同会社3万円
  • 定款認証手数料の補助上限:株式会社のみ5万円
  • 両方を合わせた補助上限:12万5,000円

定款認証手数料は資本金額に応じて異なり、資本金100万円未満は3万円(一定の条件を満たす場合は1万5,000円)、100万円以上300万円未満は4万円、300万円以上は5万円です。上記の5万円は補助の最大額であり、実際の対象経費を超えて支給されるものではありません。

国の登録免許税軽減を利用すると、最低税額の場合は株式会社15万円が7万5,000円、合同会社6万円が3万円になります。その支払い分について市の補助対象となれば、最低税額相当分の自己負担を実質的に抑えられます。資本金額によって税額が最低税額を超える場合や、経費が補助上限を超える場合まで全額補助されるわけではありません。

順番が重要です。登録免許税や定款認証手数料を支払う前に、市の商工振興課へ書類を持参して補助金を申請します。設立予定者は、特定創業支援等事業の証明書の交付申請と市の補助金申請を同時に行えます。市の交付決定を受けてから、定款認証・設立登記を進めます。国の登録免許税軽減を受けるには、登記申請時に証明書が必要です。登記時はいったん費用を支払い、設立後に実績報告と請求を行う流れです。郵送申請は受け付けていません。

2026年度の申請要領では、交付申請の期間は2026年4月1日から2027年2月末までで、予算に達した時点で終了します。交付決定後は原則1か月以内、遅くとも年度末までに会社を設立します。実績報告は設立日から60日以内、または2027年3月31日の早い方が期限です。同一申請者の利用は1回です。申請前に予算残と書類を商工振興課へ確認してください(047-711-6377)。

同じ内容で国・県・他市町村などの補助金を既に受けている場合や申請中の場合は、市の補助金を申請できません(特定創業支援等事業の証明書による国の登録免許税軽減は除く)。補助を受けた年度内に本店を市外へ移すと返還を求められます。在庫を持たない転売を主な内容とする事業や、主に税・社会保険料の負担軽減を目的とする事業も対象外です。

公式情報:松戸市「新規会社設立登録免許税補助金」、2026年度申請要領(PDF)、中小企業庁「会社設立時の登録免許税の軽減」

創業資金を借りる場合

千葉県制度融資「創業資金」

実施主体:千葉県。県内で創業する人や創業後5年未満の事業者向けの融資です。松戸市内に事業所を設ける場合も検討できます。2026年度の一般枠は、創業関連保証(保証限度額3,500万円)に対応します。県のしおりには設備資金3,500万円以内、運転資金2,500万円以内と記載されていますが、両方を足して借りられるという意味ではありません。設備と運転を併用する場合の融資上限は、申込前に県または保証協会、取扱金融機関へ確認してください。金利、保証料、返済期間も利用する枠や条件で異なります。

一般枠のうち条件に合う融資では、県の保証料補助に加えて松戸市の保証料補助を受けられる場合があります。市の補助対象かどうかは、借入前に金融機関へ融資の制度名を確認しておくと判断しやすくなります。

公式情報:千葉県「中小企業向け融資制度」、2026年度融資のしおり(PDF)

千葉県信用保証協会の創業関連保証

実施主体:千葉県信用保証協会。金融機関から創業資金を借りる際に利用できる保証制度です。保証限度額は3,500万円で、事業に必要な設備資金と運転資金が対象です。新会社の設立に充てる資本金(株式取得資金)は対象外です。保証協会が直接お金を貸す制度ではなく、融資と保証には審査があります。創業前に会社を設立する予定の個人は原則として設立予定日の2か月前から対象となり、特定創業支援等事業を受けた場合は6か月前から対象となる場合があります。保証料などの条件も含め、申込先の金融機関か保証協会へ確認してください。

公式情報:千葉県信用保証協会「創業関連保証」

日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

実施主体:日本政策金融公庫。新たに事業を始める人、または事業開始後おおむね7年以内の人が対象です。設備資金・運転資金に使え、融資限度額は7,200万円です。返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内で、いずれも据置期間は5年以内です。実際の融資額、利率、担保・保証人の扱いは審査や条件によって決まります。

有効な特定創業支援等事業の証明書を持つ人は、特別利率の対象となる場合があります。松戸市内で創業後5年未満に借りた対象融資なら、市の利子補給も検討できます。公庫の融資を利用することと、市の利子補給を受けることは別の手続きです。

公式情報:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」、松戸市「中小企業振興資金利子補給制度」

松戸市の利子補給・保証料補助

実施主体:松戸市。対象となる県制度融資や公庫の創業関連融資では、創業後5年未満に借りた資金について利子補給を受けられる場合があります。創業関連融資等では特定創業支援等事業の証明書が必要ですが、融資を受けた後に取得した場合も対象になります。利子補給率は年1.0%以内で、申請状況によって下がる場合があります。2025年度の実績は0.889%でした。最長3年の対象であっても、毎年度の予算に基づくため3年間の補助が約束されるものではありません。

また、松戸市内に本店登記があり、千葉県制度融資「創業資金」の対象となる一般枠を利用した事業者は、市の保証料補助を受けられる場合があります。こちらも証明書や税の滞納がないことなどが条件です。信用保証決定のお知らせ・信用保証書の「制度」名が「創業資金 割引」「創業資金 SSS割引」のものが対象です。「創業資金(資格」「創業資金(経験」は保証料補助の対象外ですが、市の利子補給は対象になります。

利子補給と保証料補助の申請期限は1月31日と市が案内しています。2026年度の詳しい受付期間は2026年11月中下旬に各公式ページへ掲載予定のため、対象となる年度と申請期間を確認してください。どちらも毎年度の申請が必要です。

なお、松戸市の条例に基づく独自の融資制度は現在実施されていません。市独自の利子補給・保証料補助と、千葉県の制度融資は別の制度です。

公式情報:松戸市「利子補給制度」、松戸市「創業者保証料補助金」、松戸市「中小企業向け融資制度」

事業内容によって確認したい補助金

商店街の空き店舗で開業する場合

実施主体:松戸市。対象区域内で、3か月以上借りられていない空き店舗に小売・飲食・対象となるサービス業の店舗を開く場合、改修費の2分の1以内(上限50万円)や賃借料の2分の1以内(月額上限は区域により5万円または7万円、最長1年間)の補助が検討できます。法人も対象ですが、対象業種や営業日数などに条件があります。賃貸借契約を結ぶ前に市へ事前相談し、交付決定を受ける必要があります。

公式情報:松戸市「商店街商業事業者誘致促進事業補助金」

創業後に販路を広げる場合

実施主体:国の小規模事業者持続化補助金事務局。「小規模事業者持続化補助金<創業型>」は、特定創業支援等事業を受けた小規模事業者が、販路開拓などに取り組む際に検討できる制度です。第4回公募の補助率は3分の2、上限は200万円です。ただし、審査があり、採択や満額交付が保証されるものではありません。補助金は後払いです。

第4回は2026年11月5日受付開始、12月15日17時締切の予定です。松戸商工会議所などによる事業支援計画書の発行依頼には、これより早い12月4日の締切があります。申請には、特定創業支援等事業を受けたことの証明書の写しも必要です。第4回では支援を受けた日と会社設立日がともに2025年12月15日から2026年12月15日の範囲にあることなどが条件です。法人の設立登記を済ませ、証明書を用意してから申請してください。申請時点で未設立の創業予定者は対象外ですが、設立済みで開業準備中の事業者は対象となり得ます。個人事業から法人化した場合は、個人事業の開業日も判定に関わります。

2026年度下期のまつど創業塾は10月16日から12月18日まで開催されます。第4回の事業支援計画書の発行依頼期限はその終了前なので、この創業塾で証明書を得て第4回に申請するのは日程上難しい可能性があります。第4回を目指す方は、まつどビジネスBASEでの相談など、対象となる支援の進め方と証明書の取得時期を早めに各窓口へ確認してください。

公式情報:小規模事業者持続化補助金<創業型>公式サイト、第4回公募要領(PDF)

会社設立までの進め方

  1. 事業計画と会社の形を決める。株式会社・合同会社の違い、必要な資金、本店所在地を確認します。
  2. 早めに創業相談を予約する。市の証明書を使いたいなら、特定創業支援等事業の受講と交付申請の時間を見込んでください。
  3. 証明書と市の設立費用補助を申請する。設立予定者は両方を同時申請できます。定款認証手数料や登録免許税を払う前に、市の交付決定まで進めます。
  4. 定款認証・設立登記を行う。株式会社は定款認証が必要です。国の登録免許税軽減を使う場合は、証明書を登記申請時に提出します。
  5. 設立後の届出と補助金の実績報告をする。松戸市長宛ての法人設立等届出書は設立日から60日以内に提出します。市の設立費用補助の実績報告には、その控えなどが必要です。税務署への法人設立届は設立登記の日から2か月以内、千葉県への法人等の設立等報告書は設立から1か月以内です。届出先ごとに手続きを確認してください。

本店所在地を決める際、自宅住所を事業の住所として使いたくない方は、登記可能な住所サービスを検討できます。デジラボのバーチャルオフィスも松戸市内で法人登記に対応しています。ただし、松戸市は「市内で事業を営まない場合、特定創業支援等事業の証明書の使用に制限がかかる」と案内しています。松戸市の住所を本店として登記するだけで各制度の事業所要件を満たすとは限りません。利用前に事業の実態と補助金・融資の要件を各窓口へ確認してください。

まとめ

松戸市で会社を設立するなら、最も早く動きたいのは特定創業支援等事業です。証明書の取得には時間がかかり、市の設立費用補助は費用を払う前の申請・交付決定が必要です。会社の形と本店所在地を決めたら、まず松戸市の創業支援案内を確認し、まつどビジネスBASEまたは市商工振興課へ相談しましょう。