松戸市で個人事業を始める人が、最初に確認したい支援制度

松戸市で個人事業を始める人が、最初に確認したい支援制度

松戸市でお店を開く、フリーランスとして仕事を始める、副業を事業として育てる。個人事業なら会社の設立登記をせずに始められます。ただし、開業届を出すだけで補助金や融資が使えるわけではありません。この記事では、開業時の手続きと、個人事業でも利用を検討できる松戸市・千葉県・国の支援を、申し込む順番に沿って整理します。

この記事は2026年9月29日に公式情報を確認して作成しました。開業する地域と事業形態を確認し、申請前には各制度の公式ページで最新の条件と受付状況を確認してください。

個人事業の開業と、会社の登記はどう違う?

個人事業主は、個人の名義で事業を営む人です。株式会社や合同会社のように会社を設立する手続きはなく、会社設立の登録免許税や資本金も必要ありません。税務署に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」は、事業を始めたことを知らせる税務上の届出です。会社をつくるか迷っている方は、松戸市で会社を設立する場合の記事も参考にしてください。

開業届と青色申告の期限は別

国税庁の現在の案内では、開業届の提出期限は開業した年分の所得税の確定申告期限です。一方、その年から青色申告を希望する場合の「所得税の青色申告承認申請書」は原則3月15日まで、1月16日以降に開業した人は開業日から2か月以内です。青色申告を考えているなら、開業届と青色申告承認申請書を早めに準備すると期限を管理しやすくなります。提出先や様式、e-Taxでの手続きは国税庁で確認してください。

青色申告特別控除は、帳簿のつけ方や申告方法などの条件によって10万円、55万円、65万円の区分があります。申請書を出すだけで65万円控除を受けられるわけではありません。取引先からインボイスを求められる場合も、登録は開業届とは別の手続きです。登録後の消費税申告への影響を確認してから判断しましょう。

公式情報:国税庁「開業する場合」、国税庁「青色申告制度」、国税庁「青色申告特別控除」

個人事業でまず確認したい制度

制度・窓口 実施主体 使い道 先に確認すること
特定創業支援等事業と証明書 松戸市・連携機関 創業の学習・相談、対象融資や補助金の条件に関係 支援に1か月以上、証明書の交付にも時間が必要
商店街商業事業者誘致促進事業補助金 松戸市 対象区域の空き店舗の改修費・賃料 賃貸借契約の前に市へ相談し、交付決定を受ける
創業資金・創業関連保証 千葉県・千葉県信用保証協会 設備資金・運転資金の借入れ 金融機関での融資・保証審査が必要
新規開業・スタートアップ支援資金 日本政策金融公庫 設備資金・運転資金の借入れ 創業計画と返済計画を準備する
利子補給・創業者保証料補助 松戸市 対象融資の利子・保証料の一部を補助 個人は住所と事業所の両方が市内に必要
小規模事業者持続化補助金〈創業型〉 国 開業後の販路開拓など 開業日・支援を受けた日・商工会議所の書類の期限

松戸市の創業支援を受ける

特定創業支援等事業の証明書

松戸市では、まつどビジネスBASEでの相談、まつど創業塾、専門家相談、松戸商工会議所の創業継続相談、千葉県信用保証協会の創業スクールが特定創業支援等事業に位置づけられています。経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野について、いずれかの事業で定められた回数の支援を受けた人は、市に証明書を申請できます。単発の相談だけで証明書が出る制度ではありません。

証明書は、対象となる融資や松戸市の利子補給・保証料補助、国の小規模事業者持続化補助金〈創業型〉を検討するときに関係します。個人事業主は会社設立の登録免許税軽減や、松戸市の新規会社設立登録免許税補助金の対象ではありません。

松戸市の案内では、支援を受ける期間は1か月以上、証明書の申請から交付までは2営業日です。申請先の制度に締切があるなら、開業準備の早い段階で受講先へ相談してください。市が案内する証明書の有効期限は2028年3月31日までですが、提出先ごとの創業時期や提出期限は別途確認が必要です。松戸市内で事業を営まない場合、証明書の使用には制限があります。住所だけを市内に置く場合は、実際の事業場所との関係を市に確認してください。

公式情報:松戸市「特定創業支援等事業の証明書」、松戸市「まつど創業塾」

空き店舗で開業するなら、契約前に相談

松戸市独自制度:商店街商業事業者誘致促進事業補助金。松戸市内の対象区域で、3か月以上賃貸借されていない空き店舗を使って開業する個人または法人向けです。対象業種は小売業、飲食業、対象となる対面サービス業などに限られます。通常の事務所開設や、どのサービス業でも利用できる制度ではありません。

  • 店舗改修費:対象経費の2分の1以内、上限50万円。備品・什器の購入費は対象外
  • 店舗賃料:対象経費の2分の1以内、月5万円または7万円を上限に1年間。区域により上限が異なる

3年間の事業継続、最寄りの商店会への加入、原則として週5日以上・1日5時間以上の営業なども条件です。店舗改修の施工者は市内事業者である必要があります。交付決定より前に店舗の賃貸借契約を締結すると補助対象になりません。物件を見つけたら、契約や改修の前に市の商工振興課へ事前相談してください(047-711-6377)。

公式情報:松戸市「商店街商業事業者誘致促進事業補助金」

開業資金を借りる場合

店舗の内装、機材、仕入れ、開業後の運転資金が必要なら、補助金を探すだけでなく融資も比較しましょう。融資は返済が必要で、申込額を必ず借りられるものではありません。必要額と自己資金、売上の見込みを創業計画にまとめて相談することが出発点です。

千葉県制度融資「創業資金」と創業関連保証

実施主体:千葉県・千葉県信用保証協会。県内で創業する個人や創業後5年未満の事業者などが、取扱金融機関から事業資金を借りる際に検討する制度です。創業関連保証は、これから個人事業を始める人なら原則として開業予定日の1か月前から利用対象となり、特定創業支援等事業を受けた場合は6か月前から対象となる場合があります。実際の融資と保証には審査があります。

創業関連保証の保証限度額は3,500万円です。県の2026年度資料には創業資金の設備資金3,500万円以内、運転資金2,500万円以内という区分もありますが、両方を足して借りられるという意味ではありません。設備と運転の両方を借りたい場合は、適用する枠と合計限度額を金融機関に確認してください。金利や保証料も条件によって異なります。

公式情報:千葉県「中小企業向け融資制度」、2026年度融資のしおり、千葉県信用保証協会「創業関連保証」

日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

実施主体:日本政策金融公庫。新たに事業を始める人、または事業開始後おおむね7年以内の人が対象です。設備資金と運転資金に利用でき、制度上の融資限度額は7,200万円です。これは誰でもその額を借りられるという意味ではなく、実際の融資額と利率は審査で決まります。返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内で、いずれも据置期間は5年以内です。特定創業支援等事業の証明書があれば、特別利率の対象になる場合があります。

公式情報:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」

借入後に確認したい松戸市の補助

利子補給

松戸市独自制度:中小企業振興資金利子補給。千葉県制度融資の「創業資金」や日本政策金融公庫の創業関連資金など、対象となる融資の利子の一部を補助します。個人事業主は住民票上の住所と主たる事業所の両方が松戸市内にあること、市税の滞納がないことなどが条件です。市内で店舗を営業していても、住所が市外なら対象になりません。対象融資は償還期間3年以上で、創業資金・公庫の創業関連資金では創業後5年未満に借りたことと特定創業支援等事業の証明書も必要です。証明書は融資を受けた後に取得した場合も対象になり得ます。

補給率は年1.0%以内で、申請状況により下がる場合があります(2025年度実績は0.889%)。補給は毎年度の予算によるため、3年間の受給が約束されるものではありません。2026年度の申請案内は11月中下旬に公表予定で、市の案内には保証料補助と同じ1月31日が申請期限と記載されています。対象年、必要書類、正式な受付期間は公表後に確認してください。

公式情報:松戸市「中小企業振興資金利子補給制度」、2026年度リーフレット

創業者保証料補助

松戸市独自制度:創業者保証料補助金。千葉県制度融資「創業資金」一般枠のうち、創業関連保証を付けて借りた資金の保証料が対象です。県の保証料補助に上乗せし、当初3年までの保証料を補助します。個人事業主は、住所と事業所の両方が松戸市内にあること、松戸市の特定創業支援等事業の証明書、市税の滞納がないことなどが条件です。申請は毎年必要です。

借入先から受け取る「信用保証決定のお知らせ」などの「制度」欄が「創業資金 割引」または「創業資金 SSS割引」なら対象資金です。「創業資金(資格」「創業資金(経験」は保証料補助の対象外ですが、利子補給は対象となる場合があります。借入前に金融機関へ制度名を確認してください。2026年度の受付案内は11月中下旬に公表予定で、申請期限は利子補給と同じ1月31日と市が案内しています。

公式情報:松戸市「創業者保証料補助金」

開業後の販路開拓に使える国の補助金

小規模事業者持続化補助金〈創業型〉第4回

実施主体:国。創業後間もない小規模事業者が、事業計画に沿って行う販路開拓などを支援する補助金です。対象経費には広報費、ウェブサイト関連費、展示会出展費、機械装置等費などがあります。補助率は3分の2、上限は原則200万円。審査があり、採択されても自己負担と立替払いが必要です。原則として交付決定後に始めた補助事業が対象です。

第4回は「これから開業する人」がそのまま申請できる制度ではありません。申請時点で開業済みである必要があり、個人事業主は開業届に記載した開業日と、特定創業支援等事業による支援を受けた日が、どちらも2025年12月15日から2026年12月15日までに含まれることが主な条件です。開業届の税務上の提出期限が後でも、この補助金を狙うなら申請に必要な開業届の写しと証明書を早めに用意してください。実際の商品・サービスの提供開始は、補助事業終了までに行う条件です。

第4回の申請受付は2026年11月5日から12月15日17時まで、商工会・商工会議所に依頼する事業支援計画書(様式4)の発行受付は12月4日が締切です。松戸市の2026年度下期創業塾は12月18日まで開催予定なので、今からその創業塾だけで第4回に必要な証明書を用意しようとすると、様式4の締切に間に合わない可能性があります。第4回を考える方は、まつどビジネスBASEなどで証明書取得までの日程を早めに相談してください。電子申請にはGビズIDプライムも必要です。

公式情報:小規模事業者持続化補助金〈創業型〉公式案内、第4回公募要領、松戸市「まつど創業塾」

相談先と、開業前に決めておきたいこと

事業計画や資金繰り、必要な支援の順番を相談したい場合は、まつどビジネスBASEが利用できます。松戸市が案内する創業相談の窓口で、相談は予約制です。所在地は松戸市松戸1307の1 松戸ビル13階、電話は047-382-6087です。松戸商工会議所の創業継続相談や創業塾、千葉県信用保証協会の創業スクールも、目的に応じた相談先になります。

飲食店や美容室など、業種によっては開業届とは別に営業許可や届出が必要です。店舗を借りる前に、所管する窓口で必要な許認可と物件の条件を確認してください。補助金を使う場合は、契約・発注・支払いをいつから始められるかも制度ごとに異なります。

自宅以外に作業場所や打ち合わせ場所が必要なら、デジラボのコワーキングスペースを時間単位で利用する方法もあります。ただし、コワーキングスペースの利用だけで市の利子補給などに必要な「主たる事業所」の条件を満たすとは限りません。市の制度を申請する場合は、事業所所在地の扱いを松戸市へ確認してください。

公式情報:松戸市「起業・創業したい方のための支援情報」、松戸市「特定創業支援等事業の証明書」

開業までの進め方

  1. 事業内容、開業日、営業場所、必要な許認可と資金を整理する。
  2. 特定創業支援等事業の証明書や融資を使うなら、開業前から相談を始める。空き店舗補助を考える場合は賃貸借契約の前に市へ相談する。
  3. 税務署への開業届と、青色申告を希望する場合の承認申請書をそれぞれの期限に合わせて提出する。
  4. 融資や補助金ごとの対象条件、必要書類、申請順序を公式ページで確認する。補助金は採択・交付決定前の支出が対象外となる場合がある。

個人事業は会社の登記なしで始められますが、制度の利用には「どこで事業を営むか」「いつ開業したか」「契約や支払いをいつ行うか」が重要です。まずは開業日と事業場所を決め、使いたい制度の締切から逆算して準備してください。